「風車」-第二一五号(一九九六年二月)
一月二十三日、福島、新潟、福井三県の知事が内閣総理大臣に「今後の原子力政策の進め方についての提言」を行なった。「陳情」でも「要望」でもなく、「提言」である。
福井県の県民生活部長は県議会での答弁で「国へは忠告しており、お願いしている意識は全くない」とまで説明している。その忠告とは、原子力政策の基本的方向について「幅広い議論を行い、改めて国の明確な責任において国民の合意形成を図ることが重要」というものだ。
つまり、現在、合意はないと言うのである。合意形成に際しては、「専門家の意見だけでなく、国民や住民の生活者としての意見や受止め方も十分踏まえたものとなるよう」注文することも忘れない。
また、「検討の段階から十分な情報公開を行う」ことや、「プルサーマル計画やバックエンド政策の将来的な全体像をこれらから派生する諸問題も含めて具体的に明確に」示すことを求めている。国が「必要な取組みに進んで努めなければ」「原子力行政に対する不安、不信を募らせる」とは、忠告というより、むしろ恫喝に近い。
それはともあれ、「提言」の背景には、言うまでもなく、そうした不信、不安が現にある。松下さんが3面で報告している福井県二十一万余の草の根署名あってこその「提言」だと、つけ加える必要があるだろうか。
福島、新潟、また然りだろう。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 01:02