2004年01月22日

「風車」-第二二〇号(一九九六年七月)

「風車」-第二二〇号(一九九六年七月)

 前号「反原発講座」で吉岡斉さんは、電気事業法改正に伴う「シビアなコスト計算が、国策協力への拒否権発動の論拠として、強い説得力をもつことになる」と論じた。

 その拒否権発動の第二弾と言えるかどうか……上段で根本がんさんが報告している東海原発の廃炉決定の話だ。

 同原発の発電単価は一キロワット時あたり約二十円で、高い電気を東京電力に押し売りしてきた。売るほうも買うほうも、もっと早く廃炉にしたかったに違いない。大間の新型転換炉計画(拒否権発動第一号)の発電単価が約三十八円になることが昨年夏に初めてわかったわけでないのと同様、東海原発の経済的な破綻も、前々からわかりきっていたことである。

 しかし、反原発の運動を勢いづかせてはならないとする政治的理由のみで、廃炉は先延ばしにされてきた。お陰で九三年から九四年にかけて一年以上も運転を休み、低圧タービン二基をまるごと交換するようなムダづかいまで強いられてきたのだ。できればその前に廃炉にしたかったことだろう。

 やっと廃炉は決まった。とはいえ、解体撤去となれば、運転期間と変わらないほどの時間と膨大なコストをかけ、処分も再利用も困難な廃棄物の山を抱えることになる。

 次の拒否権発動は、解体撤去をやめにして、原発の墓場のまま投げ出すことだろうか。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 01:03