「風車」-第二二七号(一九九七年二月)
資源エネルギー庁が原発の長期サイクル運転の検討を本格化──と、一月十四日付の電気新聞が報じた。定期検査の実施間隔を最大十三ヵ月と定めた電気事業法施行規則を変更しようとするものだ。
十六ヵ月から十九ヵ月程度の長期サイクル運転を行なうことで設備利用率を向上させ、発電コストを下げるのが狙いである。電気料金の引き下げを強く求める通産省と、最も安易な形でそれにこたえたい電力業界の談合の産物と言える。
と同時に、もう一つ、原発の基数が増えて、定期検査の労働者の確保がままならなくなってきたという、切実な事情もあるらしい。現に昨年九月には福島第二4号炉が、定検の重複で他の原発に熟練労働者をとられ、計画通りに検査に入れない事態となった。長期サイクル運転が認められれば、より柔軟に対応できるわけだ。
経済重視にせよ労働力の不足にせよ、それ自体、これまで以上に原発の運転管理が危うくなってきていることを如実に示す。そして、長期サイクル運転を可能にする燃料の高燃焼度化は、原発の安全余裕をいっそう薄っぺらに削りとる。
実際、高燃焼度燃料の、事故実験では、被覆管の水素化などの影響で早々と燃料が破損したりした。相次いだ制御棒挿入失敗の原因の疑いもある。
長期サイクル運転は、無理に無謀を重ねるものでしかない。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 01:06