2004年01月22日

「風車」-第二三三号(一九九七年八月)

「風車」-第二三三号(一九九七年八月)

「もんじゅ」の事故隠しで、略式手続きによる刑事処分が行なわれた(上段)。略式とは、公判を開かずに刑を言い渡すものだ。

 略式手続きは、被疑者に異議がない旨を確かめた上で初めて実行される。つまり、動燃および二人の職員は、被疑事実について争わなかったということである。それだけ被疑事実が明白だった、と言ってよいだろう。

 にもかかわらず、虚偽の報告を受けた科学技術庁は告発をしなかった。動燃理事長らを告発したのは、全国各地の住民たちだ。略式手続きによる刑事処分は、改めて科技庁の責任を問うものと言えまいか。

 科技庁が告発しなかったのは、省みて羞じるところがあったからかもしれない。七月十八日付の報告書で動燃は、入域時刻の操作について科技庁の検査官に伝えていたことを明らかにした。「裏付ける第三者の証言がない」として報告書には盛り込まれなかったものの、運転管理専門官に話したという動燃職員の証言もある。

 二十二日付の福井新聞は、「ウソと知りながら科技庁が報告書を受け取ったとしても虚偽報告になるのか」と書いていた。むしろ科技庁の罪のほうが重い。そもそも核燃料サイクルという虚構こそ、事実を生み、事故隠しを生んだ最大のウソなのだ。その点での科技庁の罪はもっともっと重い。

 裁かれるべき者は未だ裁かれていない。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 01:08