「風車」-第二五五号(一九九九年六月)
「実は地方電力は悩んでいるところであります」。昨年十一月十三日に開かれた電気事業審議会の基本政策部会専門委員会で、中国電力の古川隆副社長は、電気事業の部分自由化に対し、こう述べた。
同副社長は、まず「専門委員会の委員一九人のうち、東京、大阪、名古屋の方が一八人で、他の地域からは私だけ」と、発言を切り出している。そして冒頭の話となる。氏のいう「地方電力」が建設を計画中の原発は「一三五万kW級になっております。これら地方電力は、部分自由化がない場合においても、年間一〇万kWか二〇万kWしか需要増加を見込んでいません。そういう状況の中で原子力を推進していかなければならない」。
にもかかわらず、自由化の影響を最も受ける「地方電力」には、意見を言う機会すらほとんど与えられていない、というのである。原子力長期計画の策定メンバーにも、「地方電力」の代表者は、これまで一人も選ばれた例がない。預り知らないところで原発推進の目標を設定され、需要低迷、自由化で、大型原発がお荷物となる可能性は、きわめて高い……。
と悩みながら、島根3号の増設、上関1、2号の新設に向けて次々と電源開発調整審議会への上程を準備しているのだから、何をか言わんやだ。そのツケは、電力会社にだけでなく、住民にこそ大きくまわされるのである。(N)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:35