2004年01月22日

「風車」-第二五八号(一九九九年九月)

「風車」-第二五八号(一九九九年九月)

原発などへの工作員侵入を具体的に想定した本格的な対ゲリラ実戦訓練を、自衛隊が来年度に初実施--八月十八日、ロシアを訪問中の野呂田防衛庁長官が、同行記者団を相手にぶちあげた。

原発テロについては二、三年前から当時の橋本首相のお声掛かりでひんぱんに対策の必要性、自衛隊の活用論が説かれてきた。国会でも、各委員会でしばしば取りあげられている。もっとも、与謝野通産相や有馬科技庁長官の答弁は「工作員の侵入は難しく、万一破壊工作が行なわれても原発は安全」と、にべもない。ならば両大臣は、自衛隊がしゃしゃり出てくる口実に原発がつかわれることに厳重に抗議をするべきだろう。

侵入はともかく、ミサイル攻撃はどうか。通産相によれば「他国からのミサイル攻撃というのは戦争で、原発自体の安全性とは別の議論」だという。戦争で原発が標的になり、放射能災害を起こしても、原発には責任がないということらしい。

それは、戦争に限らない。内田秀雄元原子力安全委員長は、「想定事故を上回る事故が仮に起これば、それはいわば天災の類であって、免責とされる」と述べていた。この人たちの頭の中には、責任を逃れることばかりがあって、被害を受ける人はまったく見えないのである。

破壊や攻撃の対象となるのは、むろん、原発が放射能を抱いているからだ。(N)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:37