「風車」-第二六〇号(一九九九年一一月)
JCOの臨界事故では、多くの人が被曝をした。にもかかわらず科学技術庁では、「被曝者は六十九人」としている。
事故によって計画外の被曝をした人(正確には、被曝が確認された人)のみを、同庁では「被曝者」と呼んでいるのだ。臨界を止めるために水抜きの作業などを行なった労働者は、右に言う「被曝者」の大多数より大きな被曝をしていても、法令に定められた緊急時被曝の限度を超える被曝をした人さえ、被曝を前提として作業をしたのだから「被曝者ではない」ということになる。
その人たちの被曝は、「計画被曝」と名づけられている。しかし、計画的に被曝をしたのだから被曝者でないという理屈は、庶民感情からすると大いにいかがわしい。否、問題は単に語感だけではないのだ。
科技庁用語の「被曝者」には、原子力損害賠償法が適用されるが、計画被曝者には適用されない。労働災害の認定も、JCOの三人の重症者には、申請から一週間も経たずに行なわれた。だが、計画被曝者の場合は、定期検査などでの「計画被曝」の労災認定の現実を見るなら、今後何らかの病気にかかったときに必ず労災と認定されるという保証は、まったくない。
計画的--と言いながら、その実、被曝量の予測は十分に行なわれず、従って被曝低減の対策もないままに作業を強いられたことがわかっている。(N)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:37