「風車」-第二六二号(二〇〇〇年一月)
二〇〇〇年代劈頭の「風車」とあって、少しは格調高くと考えてはみたものの、柄にないことはせぬがよい。常の通りでお許しを願おう。
さて、十二月九日の参院で九九年度の第二次補正予算案が可決成立した。その中に、JCO臨界事故を踏まえたという原子力災害対策費千二百六十七億六千万円が盛り込まれている。科技庁、通産省はもとより、防衛庁、厚生省、建設省、文部省、警察庁……と、各省庁が競って予算を要求したものだ。
事故の責任を負う科技庁が、火事場泥棒よろしく多額の予算を要求するとは何ごとか--との批判がある。予算項目を見ても、建設省の「避難、迂回、緊急輸送道路の整備」だの、内閣安全保障・危機管理室の「原子力災害危機管理体制に関する調査」だのと、いかにも火事泥を絵に描いたようではある。
しかし、もっと根本的な問題は、そもそも国や自治体が原子力災害対策費を負担すべきなのかということだろう。それは、ほんらい原子力事業者が負担する費用ではないのか。
事故があって慌てて対策が立てられるなんてとも思うが、必要な対策ならもともと事業者が整備してから事業を始めるべきだった。国が乗り出してくれなくては心許ない、事業者では責任がとれないという事業なら、始めてはいけなかった。
同じことが、高レベル廃棄物のあと始末などにも言える。(N)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:38