2004年01月22日

「風車」-第二七〇号(二〇〇〇年九月)

「風車」-第二七〇号(二〇〇〇年九月)

沸騰水型、加圧水型という両軽水炉の次世代炉の開発が、そろって始まった。沸騰水型が百七十万kW級と言えば、対する加圧水型はそれを上回る百七十五万kWと、しっかり張り合っている。

一方、策定中の原子力研究開発利用長期計画の案には、「革新的原子炉」への期待が表明されていた。審議の中では、委員の間から盛んに「小型炉」と明記するよう求める声があがったが、原案作成者たちはあくまで「炉の規模や方式にとらわれず」とする記述を譲らなかった。

原子力業界誌紙などでは、小型炉論議が賑やかである。しかし実際に商業炉をつくるとなれば、より大型化を目指す以外に発電コストを下げる道はない。「原発を存続させるには火力や水力などの発電方式に勝る経済性が必要」(東京電力)、「ほかの発電方式より優位に立つ経済性を持つ原子力発電を実現させる」(三菱重工)と、開発着手の説明も似通っている。

資源エネルギー庁の試算では、今でも原発がいちばん安いはず--なんて誰も信じてはいないようだ。それはともかく、小型炉論議が非現実的であることだけは確かだろう。だが、それなら大型炉は現実的か。

「電力自由化」で最も問題となるのは、原発の不経済性より、硬直性である(本紙6月号4面参照)。大型化は自殺行為に等しい。しょせん原発に明日などないのだ。(N)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:40