2004年01月22日

「風車」-第二七一号(二〇〇〇年一〇月)

「風車」-第二七一号(二〇〇〇年一〇月)

九州電力は、川内原発の増設に向けた環境調査を地元に申し入れました。敦賀3、4号で計画されているのと同じ、経済性「改良型」の加圧水型炉(APWR)です。

APWRの炉心は大容量化で燃料経済性を向上させるほか、「MOX炉心や高燃焼度炉心のような運転多様化ニーズに対し、フレキシビリティの高い設計」「全炉心MOX装荷運用にも対応可」などと、三菱重工では説明しています(『三菱重工技報』35巻4号)。原発の大きな弱点である小回りのきかなさを犠牲にしてまで大出力化して経済性向上を図る事情については、前号の本欄でも触れました。

それでもやはり九電にとって、増設は重荷以外の何ものでもないでしょう。投資額を回収できる見込みは、怪しいものとならざるをえません。島根3号の増設着手について八月二十八日付電気新聞のコラムは、「もろ手をあげて喜ぶわけにはいかないというのが関係者の一致した見方ではないか」とし、増設より「既設のプラントにまつわる問題のほうが山積している」と述べていました。川内原発の増設また然りです。

九電の電力需要の実績を見ると、原発の導入に合わせて料金を下げ、必死に需要開拓をしてきたことが一目でわかります。他ならぬ九電にとって増設が必要と明言できない経営者の姿に「国策追随」の無責任さが見えます。(N)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:40