「風車」-第二八九号(二〇〇二年四月)
「間違いがとてもわかりやすい」--六ヶ所ウラン濃縮工場の事業許可をめぐる裁判の判決(↓2面)の感想を求められて、こう答えた。
たとえば、原告適格を狭めた根拠を見るがいい。事故の被害が広範囲に及びうるとの原告の主張に対し、「右の主張における被害は、本件施設から放出された放射性物質が、周辺環境を介して広範囲に拡散する中で人体へ摂取されることにより生じるものであって、本件施設の事故により直接もたらされるものとはいい難く……そのような被害を受けるにとどまる住民の生命、身体の安全等は……個々人の個別的利益として保護されるものではない」。
放射線の影響に「しきい値の存在を前提として」審理判断する、と読んで誤植を疑った記述の理屈は、次の如し。「しきい値がないものとした場合、そのような非確率的影響(あれ? やっぱり誤植? 否、まるまる誤解なんでしょうね)をいかなる程度においても防止しようとするならば、六フッ化ウランの漏洩や放射性廃棄物の排出を皆無とし、臨界事故その他の事故発生の可能性も絶対的に零としなければならないことになる」。
施設は有益なんだから、臨界事故くらい起きても不運だったと諦めなさい、と判決は言う。実は筆者は法廷で、施設に一利もないことをこそ証言したのだが、反論すらなく無視された。(N)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 17:43