2004年01月28日

「風車」-第三〇六号(二〇〇三年九月)

「風車」-第三〇六号(二〇〇三年九月)

 本紙に時折フランスのホット・ニュースを届けてくれているパリ在住の美術家でフリージャーナリストのコリン・コバヤシさんが、編著『市民のアソシエーション』を太田出版から刊行した。

 副題に「フランスNPO法一〇〇年」とある。アソシエーション(アソシアシオン)は、日本のNPO法人に相当する市民団体のことだが、根本にあるのが「市民活動の自由」だという点で、百年前のフランスの法律のほうが日本のNPO基本法より新しいと言える。否、日本の法律が遅れ過ぎているのである。

 フランスNPO法の成立過程と現状を考察し(巻末に条文と解説)、さまざまな団体の活動を紹介したなかには、「有効なシビリアン・コントロールとは何か?」と題した章で、私たちに馴染みの深いアクロ(西部地方放射能監視協会)とクリ=ラッド(放射能に関する独立の研究と情報委員会)も取り上げられている。この章の筆者はもちろんコバヤシさんだ。

 コバヤシさんは日本のNPO基本法について「国が管理・検閲しようとする意志」に危惧を抱いているが、六月五日発行の個人誌『原発雑考』で田中良明さんは、偽装した営利活動や企業・行政の別動隊がNPO法人となれる点に、むしろ法制度の固有の矛盾を見ている。

 NPO法人の意義とは何か。理念と現実の両面から考えてみたい。(N)

Posted by 編集部 at 2004年01月28日 17:34