2004年02月12日

風車(第310号=2004.1)

 小泉首相が昨年十一月十八日、ロシアのプーチン大統領の密使と会い、「北方領土核貯蔵施設」構想を提案した--と、『エコノミスト』一月六日号が伝えている。同誌「インサイドコラム」によれば、「小泉首相の口調はいつになく熱が入っていた。プーチン大統領の密使も、まんざらではないという態度」だったとか。本紙でも既に何度か、鈴木篤之・現原子力安全委員の提言や反対運動の動きなどを報じたことがある話題だが、にわかに生臭いものになってきたようだ。

『エネルギーレビュー』の一月号でも、プーチン大統領のアドバイザーを務めたという日本エネルギー経済研究所の内藤正久理事長が、次のように語っている。「万年単位の時間がかかる廃棄物の長期処理の責任を、寿命に限りがある民間企業に負わせることに無理があります。ロシアは最終処理はシベリアでやってもいいと言っています。国内での完全処理にこだわらず、核燃料サイクルの仕組みを見直すくらいの発想があっていいと思います」。

 かつての鈴木提言では、核軍縮に必要な資金の提供という「国際貢献」の大義名分があった。それもうさん臭いが、今や「北方領土の実効支配を可能にする」だの「国と企業の役割分担」だのと、何とも情けないうたい文句がひっついている。それだけ現実的な構想になったのだろうか(N)

Posted by 編集部 at 2004年02月12日 17:28