2004年12月04日

コラム「風車」317号

 米連邦高裁は七月九日、ヤッカマウンテン高レベル廃棄物処分場計画の差し止めなどを求めたネバダ州側の訴えを退ける判決を下した。一方、同裁判所は、放射能の規制期間を一万年に限定した環境保護庁の規則については不適切としており、今後どう尾を引くかは予断を許さないという。

 核燃料サイクル開発機構による、日本における処分の安全評価でも、被曝のピークは八十万年後とされている。但し、線量は公衆の被曝限度の二十万分の一だから何の問題もないというわけだ。ネバダ州側は、三十万年後のピークで、この限度の二倍にもなることを否定できないと主張していたらしい。

 一万年に限定するのは不当だが、そのはるか以前に危険は顕在化しそうである。米原子力規制委員会の放射性廃棄物諮問委員会は、坑道壁面からの液滴から容器を防護するドリップシールドの損傷が容器そのものの破壊につながることを懸念し、連邦議会の放射性廃棄物技術審査委員会は、発熱による腐食で千年のうちに穴があくとしてエネルギー省の容器設計の変更を要求している。

 核燃機構の前述の評価は、千年で容器が全壊するという「安全側に立った仮定」でのものだそうだが、天然の地層ならその後何十万年も放射能をおとなしく抱いていてくれるという保証は、やはりない。(N)

Posted by 編集部 at 2004年12月04日 17:37