2004年12月04日

コラム「風車」318号

 八月十一日、第五回の原子力新長期計画策定会議でのこと。冒頭、美浜事故被災者への黙祷と原子力委員長あいさつの後、東京電力の勝俣社長が「同じ電気事業者として」おわび。続いて電力総連の笹岡会長も、おわびを述べた。

 勝俣社長も言えなかった「信頼回復」にまで笹岡会長は言及したが、この「おわび」「信頼回復」は、それぞれ誰に対するものなのだろう。労働者の生命・健康を守れなくてごめんなさいというおわびと労働組合への信頼回復--ではなさそうだ。社会を騒がせたことへのおわびと原発への信頼回復。どうやらそれしか頭にないらしい。

 下請け労働者のことなど、毛ほども考えていないのだろう。八月二十四日の第六回会合に寄せた「発言メモ」では、労働者の被曝線量について「労使協議により国の基準を大きく下回るものとしております」と自慢しているが、もとより下請け労働者の被曝低減は労使協議の対象外。社員の低減分は下請け労働者に回される。

 会社側は「たかが労災」とうそぶいた。労災の被害者となるのは下請け労働者ばかりという現実がある。とはいえ、だからそんなふうに言えると見るのは一面的だろう。むしろ、下請け労働者の生命を軽く見ているから下請け労働者に労災が集中するのだと強調しておきたい。(N)

Posted by 編集部 at 2004年12月04日 17:37