電力会社の原子力部門の中に設計・建設部門を優位とし、運転・保守部門を軽視する風潮があるのでは――美浜事故にからめて、電気新聞の藤森礼一郎論説主幹が問いを発した。答えるのは、日本原子力産業会議の宅間正夫副会長。
東京電力出身で、柏崎刈羽原発の所長などをつとめた宅間副会長のいわく「確かにそのような傾向は否定できないと思います。(中略)事実、試運転を終えて営業運転に入ると、設備の完成を目指した攻めの職場である建設所が保守という一見守りの職場である発電所に変わる、あるいは建設部門から発電所保守部門へ配転になる、そうすると職場の活力や従業員の意識が微妙に低下するということを、経験しています」
宅間副会長は「建設が『ものづくり』の価値創造なら運転保守は『ものそだて』という価値創造へのチャレンジです」などなどと「育てる」職場の意識向上を願う熱弁を振るうのだが、力めば力むほど実情から離れてしまう感は否めない。そう言えばかつて原子力安全規制部門の独立案に対し、当時の科学技術庁の石田寛人事務次官がこう疑問視していた。「仕事を安全規制の範囲に限ることになり、職員の士気が下がる」
外部委託で「マイプラント意識が希薄」な電力会社が運転し、士気の下がった原子力安全・保安院が規制する。どこかおかしくないか。(N)
Posted by 編集部 at 2004年12月04日 17:38