カレンダー2005-原発をめぐって起ころうとしていること
『はんげんぱつ新聞』322号(2005年1月)掲載
1面記載のように、六ヶ所再処理工場では04年12月21日、試験としての意味を持たない単なる儀式として「ウラン試験開始」が強行された。実質的な試験開始は、05年1月中旬となる。「アクティブ試験」は12月からと計画されているが、その前に何としても止めたい。
85年4月9日に青森県知事が核燃料サイクル施設の受け入れを決めてから20年目の年である。
1月21日から始まる国会には、スソ切りの導入や核物質防護の強化などを内容とする原子炉等規制法「改正」案の上程が目論まれている。また、再処理準備金の拡充のための新法案も上程予定である(両法案については本紙前号3面参照)。スソ切りの導入は06年1月、核物質防護の強化と再処理準備金の拡充は05年10月施行の方針という。
2月6日午後、東京・水道橋の全水道会館で反対集会をもつ。
1月17日は阪神・淡路大震災から10年を数える日となる。原子力安全委員会原子力安全基準部会耐震指針検討分科会による耐震設計指針の見直しは、予定から大きく遅れ、今年に持ち越された。
浜岡原発5号炉が1月に営業運転に入ると、日本で運転中の原発は53基となる。さらに7月には東通1号炉の営業運転入りも計画されている。
2月16日に地球温暖化防止の京都議定書が発効し、政府は3月までに目標達成計画を策定する。原発頼みの数字合わせなどすでに破綻している地球温暖化対策推進大綱も改訂。11月には締結国会議が開かれる。
2月末には中国で原発4基の国際入札が予定されており、三菱重工がウエスチングハウス、ベクテルと組んで参加の意向だ。
2月に東京ガスが天然ガス使用の、3月に新日本石油がLPG使用の家庭用燃料電池を発売。
3月17日、最高裁でもんじゅ訴訟の弁論が行なわれる(3面参照)。最高裁の判決も待たずにもんじゅ改造の了解を福井県知事に迫る動きもあるが、12月8日にはナトリウム漏洩・火災事故から10年を迎えるもんじゅを今さら動かそうとするのは妄執でしかない。
3月末には、美浜3号炉11人死傷事故の最終報告が、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の事故調査委員会でまとめられる予定。福井県知事の懐柔策として04年12月16日に福井市で初会合を開いた同上部会の高経年化対策検討委員会は、3月末に中間取りまとめ、7~8月に最終報告を出すという。
3月には「国民保護計画」の基本的考え方が閣議決定され、都道府県が策定する計画のモデルが提示される。原発や核燃料サイクル施設をもつ県では、攻撃時の避難などが課題となる。
4月1日から電力小売り自由化の範囲が50kW以上の高圧需要家へと拡大される。振替料金が廃止され、卸電力取引所が誕生。電力・ガスの料金値下げ競争は激化し、原発はさらに窮地に立つ。
4月には海上保安庁が柏崎刈羽原発に、全国初の「原発警備対策官」18人を配備する計画。
8月6日。9日。被爆60年の今年は、核廃絶に舵を取る節目の年であるが、5月の核不拡散条約再検討会議では逆行の動きも懸念されている。
9月には高レベル放射性廃棄物最終処分計画の新計画がつくられる。候補地に手をあげさせない運動が続くことになる。
10月1日に、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合された「日本原子力研究開発機構」が発足。安全研究を後退させ開発に重点を置いた巨大機関の誕生には要警戒だ。
この年、原子力研究開発利用長期計画の新計画がまとまる予定であり、ICRP(国際放射線防護委員会)からは新たな放射線防護システムが勧告される。プルサーマルや使用済み燃料貯蔵などをめぐる動きにも的確に対処していく必要がある。(編集部 西尾漠)