「風車」328号(2005年7月)
ITER(国際熱核融合実験炉)の建設地が、フランスのカダラッシュに決まった。02年5月に六ヶ所村への誘致を閣議決定してから3年もかかっての決着だ
そもそも六ヶ所村を候補地と決めたときに「日本は誘致を断念した」と言われた。六ヶ所再処理工場の建設を進めるため、ITER誘致は事実上捨てて青森県の顔を立てたという。お蔭で青森県民は、7億円近い誘致費用を負担させられた。結論は決まっているのに頑張るフリをしたことで交渉は長引き、外交費用も多額にのぼった
六ヶ所村を候補地としたのは、高速増殖炉のためという見方もあった。ITERを国内に誘致されたら、他の原子力関係予算は大幅に圧縮される。候補地は「負けるところがよい」というわけだ。高速増殖炉推進派のホッとした顔が目に浮かぶ。とはいえ、誘致を回避したにせよ、今後30年の負担は1000億円を超える。さらに膨らむ可能性も小さくない
おまけに、誘致を断念した見返りに、日本がつくりたい関連施設の費用の半額(460億円以内)をEUが負担する。何のことはない、当初計画になかった余分な施設までつくらされて、日本の負担額は、けっきょく現時点でのITER国内誘致費用と大差なくなるだろう。関係者の失業対策費としては、いささかならず巨額に過ぎないか。(N)
『はんげんぱつ新聞』328号(2005年7月)