「風車」338号
■本号2面に解説があるように、日本原子力研究開発機構は3月末、高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究のフェーズII報告書をまとめた。しかし、いったい誰が「実用化」をするというのだろう?
■昨年1月の原子力委員会新計画策定会議では、藤洋作委員(電気事業連合会会長=当時)が「国が主体となって開発を進めていくことを期待します」と述べ、電力会社が主体となる考えのないことをアピールした。その後も、藤委員、勝俣恒久委員(東京電力社長、現電気事業連合会会長)は一貫して高速増殖炉に背を向けていたのが印象的だ。推進派の某学者委員からは「電力、逃げるなよ」とヤジまで飛んだ(伴英幸『原子力政策大綱批判』七つ森書館)が、2人とも知らん振りだった。
■原子力機構は「高速増殖炉」と呼ぶが、主務官庁の文部科学省は米提唱のGNEPに迎合して「高速炉」と言い換えている。他方で資源エネルギー庁は自立路線の「高速増殖炉」派だというのだから、ややこしい。4月25日付の電気新聞によれば自民党エネルギー総合戦略合同部会の原子力推進戦略分科会で両者がぶつかり合ったとか。
■それにしても、高速増殖炉だろうが高速炉だろうが、プルサーマルすら嫌われている中、どこに建てられると考えているのだろう。いや、「実用化」は掛け声だけだからそれでいいのか。(N)
Posted by 編集部 at 2006年06月17日 16:45