コラム「風車」341号(2006年8月)
タービンの羽根の破損やひび割れで、浜岡5号と志賀2号の長期運転停止が避けられなくなった。138万キロワットと135・8万キロワット。最新の大型原発が、夏の電力需要のピークを前に揃って動かせなくなったのだ。
浜岡では1、2号が長期に運転を停止して耐震裕度の向上工事なるものを行なっており、3号も長い定期検査に入った。定期検査を終えて動きはじめた4号だけで、夏を乗り切ることになる。499・7万キロワットのうち386万キロワットの脱落である。志賀では、1号は54万キロワットと、2号の4割の出力でしかない。女川では、配管の減肉で3基計217・4万キロワットが全滅した。この3基は昨年8月にも、宮城県沖地震で全基停止を経験している。美浜3号も、なかなか運転が再開できずにいる。
長期停止には至らずとも、原発の運転停止は次から次へと起こっている。03年の東京電力の全原発停止はトラブル隠しの発覚という特異な原因のものだったが、このところは事故による多数原発の長期停止といわば正統的な原発の脆弱性の現われと言ってよいだろう(「安定電源」が聞いてあきれる)。
それでも電力会社に危機感が見られないのは、ひとえに需要の伸びが止まっているお蔭か。昨年のピーク需要の実績は、理論値の8割ほどなのだそうだ。(N)
Posted by 編集部 at 2006年08月11日 15:48