「月間情報」2004年12月
(はんげんぱつ新聞2005年1月号掲載)
運転中 52基 4574.2万kW
試運転中 1基 138.0万kW
建設中 3基 337.0万kW
試運転凍結中 もんじゅ 28.0万kW
安全審査中 4基 583.2万kW
許可申請準備中 2基 274.6万kW
閉鎖 2基 33.1万kW
◆六ヶ所再処理工場で「ウラン試験入り」強行 21日。前日に搬入した劣化ウラン粉末の容器を移動することで「試験開始」と発表。試験入りに先立ち、日本原燃はマスコミに写真・映像の"検閲"を要請。抗議を受けて撤回。→1面。
◆もんじゅ訴訟で上告受理 2日、最高裁が決定。弁論期日を3月17日と指定。→3面。
◆福島第一が6基全基停止 8日に2、4号の給水加熱器室内、15日に5号、17日に6号の格納容器内で放射能を帯びた水漏れがあり、次々と停止(5号は定検中)。1号はトラブル隠しで停止したまま定検中、3号も定検中で全基が停止。
◆美浜3号事故で関電が、福井県の原子力安全専門委に配管点検状況・設備影響調査結果を報告 21日。保安院から追加点検の指示があった4ヵ所のうち、関電が配管管理基準を恣意的に解釈していた3ヵ所中の1ヵ所で必要な肉厚を下回り、他にも余寿命が0・3年のものもあるとして4ヵ所とも交換することに。蒸気噴出の影響では、熱変形や水分によるさびで電気設備73ヵ所、計装設備103ヵ所、脱気器2ヵ所に影響。
◆ 東北電力東通1号が「試運転入り」強行 24日。燃料装荷作業の開始を「試運転開始」と発表。発電開始予定は3月。
◆ ウラン残土問題で核燃機構の姿勢改まらず 方面区(自治会)が8日、人形峠環境技術センターへの撤去を想定した代替執行と、21日までに撤去しない時は翌日から撤去の履行日まで1日300万円を支払う間接強制の強制執行を鳥取地裁へ申し立て。核燃機構は、方面地区に隣接する麻畑地区への任意撤去に着手しているとして強制執行の停止を申し立て。審尋の結果、地裁は代替執行を退け、間接強制は時期と金額を大幅に緩和して決定。自治会側、核燃機構側の双方ともこれを不服として広島高裁松江支部に抗告。核燃機構は11日、麻畑の地元の川上区総会での搬入拒否決定、鳥取県・湯梨浜町の抗議を無視して、方面区に残土堆積場での撤去準備調査を申し入れ。同区総会は翌日に拒否を決議。15日、核燃機構は麻畑の同機構所有地での調査を強行。方面でも強行しようとしたが抗議を受けて引き返し、翌16日に抜き打ち強行。
《国内》
【3日】有事における原発の停止手順で、防護対策懇が報告書。
【5日】大飯2号で復水器細管破損の兆候。一時的に警報。
【6日】福岡市内の建設関連会社社長らが長崎県五島市の九賀島に高レベル廃棄物処分場などを建設する計画を提示。17~19日に説明会。原環機構は依頼を否定。
【9日】総合エネ調保安部会の廃止措置安全小委が報告書。「廃炉を現行の届出制から許可制に」。
【10日】保安院が全原発設置者にコンクリートの健全性確認を指示。
【11日】定検中の島根2号でタービン系配管3ヵ所に穴、と発表。
【11日~16日】JCOが、東海村民を対象に臨界事故施設見学会。
【13日】保安院に高経年化対策室を新設。16日には総合エネ調保安部会の対策検討委が初会合。
▽同部会の廃棄物安全小委が、スソ切り値に安全委試算でなくIAEAの指針を適用と決定。
▽同部会の原子力防災小委が核物質防護強化の報告書。
【14日】御坊市議会の中間貯蔵施設調査特別委が、反対請願を継続審議とし、推進提案見送り。
【15日】定検入りのため出力降下中の敦賀2号で中性子源領域モニターの1つが不作動。17日には高圧注水系の流量調整弁が開固着。
▽定検中の川内2号で蒸気発生器細管426本に減肉、と発表。
▽自民党が05年度税制改正大綱を決定。再処理準備金を大幅に改組。
▽日高町議会で町長が、同町阿尾の原発計画地を関電が町に寄付する手続き中、と公表。
【16日】東電が青森県に、むつ中間貯蔵施設の立地協力を再要請。
【17日】浜岡1、2号の共用排気筒にひびを発見。21日に漏れ確認。
【18日】伊方3号でホウ酸水配管の詰まり。制御棒のみで出力制御。
23日には定検中の1号で排気筒にひびを確認。24日には2号で復水器細管破損の兆候。
《海外》
【1日】韓国の扶安で、放射性廃棄物処分場計画白紙化勝利大会。
【2日】台湾の新竹市で11月に放射能汚染建物を確認、と現地報道。
【13日】英政府が海外への中レベル廃棄物返還を「等価」の高レベル廃棄物に換えて行なうことを認める決定、と貿易産業省が発表。
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『はんげんぱつ新聞』322号(2005年1月)もくじ
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悔しさをバネに希望を力に
-六ヶ所再処理工場は必ず止める(座談会)
菊川慶子・哘清悦・鹿内博・山田清彦
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京丹後市、久美浜原発の交付金申請見送る
佐伯昌和(京都市)
厳しくとも05年は勝利のうま酒を!
-もんじゅを廃炉へ!全国集会
小木曽美和子(原発反対福井県民会議)
もんじゅ廃炉全国集会・課題別討論より
大島茂士朗・佐伯昌和・深江守・末田一秀
上関原発計画地
偽造文書で宮司を解任・神社地売却
-地位保全・神社地を守る運動に全国から支援を
木原省治(原発はごめんだヒロシマ市民の会)
まっとうな判決
-核燃機構の非公開決定を取り消す
兼松秀代(原告)
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カレンダー2005
-原発をめぐって起ころうとしていること
編集部・西尾漠
原発「推進者」の発言から
月間情報(2004年12月)
11月の設備利用率
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もくじ以上
コラム「風車」(休載)
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カレンダー2005-原発をめぐって起ころうとしていること
『はんげんぱつ新聞』322号(2005年1月)掲載
1面記載のように、六ヶ所再処理工場では04年12月21日、試験としての意味を持たない単なる儀式として「ウラン試験開始」が強行された。実質的な試験開始は、05年1月中旬となる。「アクティブ試験」は12月からと計画されているが、その前に何としても止めたい。
85年4月9日に青森県知事が核燃料サイクル施設の受け入れを決めてから20年目の年である。
1月21日から始まる国会には、スソ切りの導入や核物質防護の強化などを内容とする原子炉等規制法「改正」案の上程が目論まれている。また、再処理準備金の拡充のための新法案も上程予定である(両法案については本紙前号3面参照)。スソ切りの導入は06年1月、核物質防護の強化と再処理準備金の拡充は05年10月施行の方針という。
2月6日午後、東京・水道橋の全水道会館で反対集会をもつ。
1月17日は阪神・淡路大震災から10年を数える日となる。原子力安全委員会原子力安全基準部会耐震指針検討分科会による耐震設計指針の見直しは、予定から大きく遅れ、今年に持ち越された。
浜岡原発5号炉が1月に営業運転に入ると、日本で運転中の原発は53基となる。さらに7月には東通1号炉の営業運転入りも計画されている。
2月16日に地球温暖化防止の京都議定書が発効し、政府は3月までに目標達成計画を策定する。原発頼みの数字合わせなどすでに破綻している地球温暖化対策推進大綱も改訂。11月には締結国会議が開かれる。
2月末には中国で原発4基の国際入札が予定されており、三菱重工がウエスチングハウス、ベクテルと組んで参加の意向だ。
2月に東京ガスが天然ガス使用の、3月に新日本石油がLPG使用の家庭用燃料電池を発売。
3月17日、最高裁でもんじゅ訴訟の弁論が行なわれる(3面参照)。最高裁の判決も待たずにもんじゅ改造の了解を福井県知事に迫る動きもあるが、12月8日にはナトリウム漏洩・火災事故から10年を迎えるもんじゅを今さら動かそうとするのは妄執でしかない。
3月末には、美浜3号炉11人死傷事故の最終報告が、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の事故調査委員会でまとめられる予定。福井県知事の懐柔策として04年12月16日に福井市で初会合を開いた同上部会の高経年化対策検討委員会は、3月末に中間取りまとめ、7~8月に最終報告を出すという。
3月には「国民保護計画」の基本的考え方が閣議決定され、都道府県が策定する計画のモデルが提示される。原発や核燃料サイクル施設をもつ県では、攻撃時の避難などが課題となる。
4月1日から電力小売り自由化の範囲が50kW以上の高圧需要家へと拡大される。振替料金が廃止され、卸電力取引所が誕生。電力・ガスの料金値下げ競争は激化し、原発はさらに窮地に立つ。
4月には海上保安庁が柏崎刈羽原発に、全国初の「原発警備対策官」18人を配備する計画。
8月6日。9日。被爆60年の今年は、核廃絶に舵を取る節目の年であるが、5月の核不拡散条約再検討会議では逆行の動きも懸念されている。
9月には高レベル放射性廃棄物最終処分計画の新計画がつくられる。候補地に手をあげさせない運動が続くことになる。
10月1日に、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合された「日本原子力研究開発機構」が発足。安全研究を後退させ開発に重点を置いた巨大機関の誕生には要警戒だ。
この年、原子力研究開発利用長期計画の新計画がまとまる予定であり、ICRP(国際放射線防護委員会)からは新たな放射線防護システムが勧告される。プルサーマルや使用済み燃料貯蔵などをめぐる動きにも的確に対処していく必要がある。(編集部 西尾漠)
悔しさをバネに希望を力に-六ヶ所再処理工場は必ず止める(座談会)
『はんげんぱつ新聞』322号(2005年1月)掲載
菊川慶子(六ヶ所村、農業)
哘 清悦(天間林村、農業)
鹿内 博(青森市、青森県議)
山田清彦(三沢市議、本紙編集委員)
■青森でなく東京で決めた
山田 今日が12月18日。明後日の20日には六ヶ所再処理工場に劣化ウランが搬入され、21日からウラン試験が強行開始されようとしています
菊川 すごく悔しい。私たちの力不足というか、今まで十数年の運動をやってきて、最後の山場で崩されたという思いです。
鹿内 いや、最後じゃないですよ。もう2山も3山もあると思う。事故が起きたら終わりだけど、そうさせずに止める山場がきっとある。
哘 試験を始めたにしろ、もっと議論を高めて、少しでも早い段階で止める方向にもっていければいいですね。
菊川 悔しさを止める力に変えないと。
哘 手続き上で一番問題だと思うのは、「国民の理解を、県民の理解を」というのであれば、理解されたかどうか確認をする必要があるでしょうということです。使用済み燃料プールの水漏れのときにも、八戸会場の県主催の説明会で最後に質問に立って「会場の皆さん、今日の説明を聞いて理解できましたか? 理解できた人は手を挙げて下さい」って聞いたら、誰一人手が挙がらない。
県が県民の理解度を確認しないというのは、確認するとまずい答が出てくるのが見えてるからです。
山田 隣接市町村長からも慎重な意見が相次いだというのも、それぞれに背景がある。日本原燃にすごく不信感があるんです。本当に民意を汲んでいれば今、絶対に動かせる状況じゃないってことは、彼らもわかっていると思う。そこがキーになるのではないでしょうか。
県もひどいけど、新原子力長期計画の策定会議の進め方も納得できませんね。再処理政策の継続だけを先に決めてしまった。
菊川 スケジュールが先にあって、いろいろな手続きを進めていくだけとしか見えませんでした。
鹿内 ウラン試験ゴーのスイッチを、青森でなく東京で押したわけだよね。メンバーの人選からして問題があったし、プルトニウムの需給計画も第二再処理工場の計画も、ないない尽くし。すべて先送りして、ただただ六ヶ所再処理工場を動かしたいという。
そこにこそ青森県民の意思が反映されるべきなのに、県民の意見も国民の意見も反映されないまま、スイッチが押されてしまった。
■地雷の上に家を建てたいか
菊川 とりあえずの結論としてはそうなってしまいましたが、アイリーン・スミスさんたちが策定会議の委員に働きかけて、いろんな疑問をもつ委員が少し出てきています。あきらめずに働きかけていけば、中間取りまとめじゃない最後の結論の前に、改めての議論ができるのでは。
山田 その間にウラン試験でたくさんトラブルが出て大変だということになったら、結論は変わるかもしれない。トラブルの度に情報を逐一流していけば、委員にも責任があるわけだから。
菊川 でも、日本原燃の側では、試験なんだから当たり前という開き直りがありますよね。トラブルがあってこそ正しい操業ができるそうです。
鹿内 だけど、ウラン試験で起きたことが仮に小さなトラブルでも、同じことが使用済み燃料を実際に使うアクティブ試験で起きたら深刻だという場合もある。そうしたあたりを訴えていく山場が、やはりあると思う。
ウラン試験のトラブルそのものに確実に対応しながら、アクテイブ試験の危険性を訴えて、その前に止めるという運動が必要でしょう。今まで以上に大変だけど。
山田 私は、原燃のほうが困っていると思う。ここまで強行して、年始めから「やあ、トラブルで止まりましたか」とは言えないですよ。それは県だって同じです。
哘 風評被害もありますし。農業者としてとても心配なのは、消費者の受け止め方なんですね。無農薬というので買ってくれているお客さんに、「ウラン試験が始まるけど、今まで通り買ってくれますか」って質問をしたら、二人の方から「それだったらお断わりします」と答えてきました。
日本原燃の言い方としては「あなたがそういうふうに騒ぐので風評被害が広がる」って。でも「あなた方が説明しているように国民の理解を得ながら進めるというのをちゃんとやられていれば、こちらが騒いでも誰も買わないということはないでしょ」と、自分は答えています。
農業者の立場で、この再処理工場とはと考えると、家で言えば土台というより、敷地なんだろうと思う。で、その敷地の中に、たとえば地雷が埋まっているのがわかりつつ、家を建てたいかという話なんです。
■長い目で見たら続くはずがない
哘 反対している人が一部だという言い方をよくされるけど、推進している人こそ一部じゃないのかな。県のアンケートの結果でも8割以上の人が不安を感じているのに、「反対」と声を出さない人は推進のほうに数えちゃう。
菊川 六ヶ所村の中でも、反対派は確かに少数ですけど、推進している人っていうのもまた少数です。大多数の人たちが無関心というところに問題がある。年配の人にはあきらめが見られる。若い人は始めから無関心。結婚すると、村内に勤め先があるのに周辺の市や町に出てしまう。でも、それはただ便利だから。潜在的には不安があるのでしょうが、そういう人たちにどう働きかけたらいいのか。
山田 六ヶ所村も、今までは建設の仕事があったけど、これからはなくなる。あっても被曝作業ですよね。
菊川 村の中で再処理工場の操業を急いでほしいと言っているのは、クリーニング屋さんとかです。放射性物質の取り扱いなんかお金をかけて教育してお給料を払って、操業が延びている間、ただ待機させているんですから。
鹿内 仮に操業に入っても、東海の再処理工場がそうだったように事故って1年2年動かないとなれば、クリーニング屋さんも倒産だよね。
菊川 「公には言えないけど、最終処分場でも何でもいいから、とにかく仕事がほしい」と言っている人までいます。本当に長い目で見たら続くはずがないとはわかっている。経済的な裏付けで私たちが商工会の人たちに信用を得られれば、考え直す余地は十分にあるんです。
■個々の運動を全体の力に
菊川 国民的な議論が全然ないというところが問題なのですけど、とりあえず村の中で議論を起こすように働きかけをしようって考えています。六ヶ所村の商工会青年部の人たちと、私や哘さんも入って5人が反対派で「一緒に原子力を考える会」というのをつくっているんです。青年部とは反対の立場ですけど、この中で議論を起こそうと。それと、チューリップの栽培をしていますが、運動の中で夢を与える植物づくりを広げて、六ヶ所村にいろんな人たちの関心を集めたい。
鹿内 六ヶ所村の良さ、青森県の良さを表に出せば出すほど、再処理工場が危険なものだってことがよくわかると思うんだよね。私たちの目的は施設をなくすことだけではなくて、地域を豊かな良い地域にすることなんですね。
哘 そのときに「安心して暮らす」というのはどうなんだ、ということですよ。
山田 原発とか再処理工場とかの上に成り立つ安心で良い生活はない。それが既にはっきり自治体の考えにも出てきているのが、福島県とか、茨城県、東海村とかでしょう。
ところで我々は今まで、六ヶ所村の再処理を中心とした核燃料サイクル施設とか、むつ市の使用済み燃料「中間」貯蔵施設とかばかりに目を向けてきたんですが、24日から東通原発に燃料が装荷されて試運転に入ろうとしています。
鹿内 いっしょの話なんだよね。原子力施設に関しては国も事業者もウソはつく、隠すで、まったく信用できない。それと、大間町のフルMOXの原発をふくめて皆からみ合っている。どこからでも核燃料サイクルの輪を切っていけば全体が崩せると思う。
山田 全国の運動とも連携しつつ、それぞれのところで輪を切っていくことが全体の力になる運動をさらに進めていきましょう。
ありがとうございました。
(文責=編集部)