2004年01月22日

「風車」-第二四〇号(一九九八年三月)

「風車」-第二四〇号(一九九八年三月)

「実証テストに使った原子炉等の試験体はモニュメントとして広場に展示してあります。本来ならこういうものも解体して処分するところですけれども、今、鉄が安いために、処分料がかえって高くかかりますので、モニュメントとして残してございます」。

 香川県多度津町にある原子力発電技術機構の工学試験所における説明である。原子炉といっても、耐震試験用につくられた二分の一程度の大きさの試験体で、放射性ではない。それでも処分料のほうが高いのだとしたら、放射能の測定コストまで上乗せされる、原発の廃炉から出てくる鉄材は、とても処分なんてできないだろう。

 東海原発が、いよいよ三月末で廃炉となる。ガス冷却炉の廃炉としては世界に経験のない解体が待っている(4面資料参照)。その解体で出てくる二十万トンほどの廃棄物のうち、九割近くは放射性として扱わないことし、再利用も行なって処分コストを下げるというのが、国や電力会社の考えだ。が、そう易々とは問屋が卸しそうにない。

 廃棄物処分費を除く廃炉費用は約二百五十億円と見積もられ、日本原電ではすでに積み立てた廃炉引当金から支出するという。では廃棄物処分費は、さて、どうするのか。もはや発電をしない東海原発の料金に含めるわけにはいかないことだけは、確かだ。どこまでつつく泥縄ぞ。(西尾)

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※1998年の「風車」の他の月については掲載準備中です

Posted by 編集部 at 01:10

「風車」-第二三九号(一九九八年二月)

「風車」-第二三九号(一九九八年二月)

 科学技術庁と動燃とが互いに職員を出向させ合い、親密な関係を築いてきたことは、昨年四月号に載せた一覧表などで既に見た通りだ。

 これでは規制行政なんてできようはずもないと思っていたら、さらにとんでもないことが、わかった。原子力局の廃棄物政策課には、動燃ばかりでなく、電力会社からも人が送り込まれているという。

 原子力安全局とちがって安全規制が仕事ではない、との言いわけは無効だ。同課が担当する高レベル放射性廃棄物のあと始末をめぐっては、電力会社や動燃の「発生者責任」が厳しく問われている。ところが電力会社は、電気事業連合会会長の言(4面「原発『推進者』の発言から」参照)に露骨に示されているように、責任逃れと国への押しつけに躍起だ。そんなとき、きわめて重要な役割を担う事務局に電力会社や動燃の人間が配置されていて、透明性のある行政が期待できるだろうか。

 別の面でも、気がかりなことがある。まさに未来を左右する重大事を扱う廃棄物政策課に、本来の科技庁職員は課長、課長補佐、係長一人の三人だけなのだとか。他は皆よそから派遣されてきた職員で、銀行から来た人などが働いている。

 そんな体制で何ができるのか、と考えれば背筋も寒くなろう。無責任なのは電力会社に限らないようだ。よほど褌を締めてかからずばなるまい。(西尾)

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