2006年02月16日

「風車」333号(2005年12月)

「風車」333号(2005年12月)

『はんげんぱつ新聞』333号(2005年12月)

 「石炭火力新時代へ期待広がる」と11月4日付の電気新聞は、1面トップ記事に特大の見出しをつけた。700度超の超々臨界圧発電や次世代型ガス化複合発電といった新技術の宣伝記事だ

ところが同月25日、小池環境相が記者会見で「2つの提案」を発表、その1つで「石炭火力の増加は看過できない」としたことから、電力業界は猛反発している。電気事業連合会は即日、「電力の安定供給を含め、地球温暖化防止と経済性の両立にも、石炭の有効利用は不可欠」と、意味不明の反論をした。脱原発よりも脱石炭のほうが逆鱗に触れるようだ

かくて同月29日付の電気新聞では、環境省の入居する中央合同庁舎5号館は化石燃料発電によって供給する特定規模電気事業者からの電力調達だとして「"石炭敵視"を提案する前に、まずは自らの襟をただす必要がありそうだ」「こうした矛盾に産業界や経済産業省からは反発が出ている」とまで言い出した。かつて経済産業省が同じ理由で「原発の電気を使わないのはけしからん」と叱られたのを思い出し笑ってしまった

そういえば、こんな笑い話もあったっけ。石炭には良い点と悪い点がある。良い点は、埋蔵量が群を抜いて豊富で、安さもまた抜群ということだ。そして悪い点は、それを使わなくてはならない点だ……。(N)

Posted by 編集部 at 15:31

「風車」329号(2005年8月)

「風車」329号(2005年8月)

 03年10月号の本欄で、もんじゅの設置許可は「使用の目的」からして賞味期限切れだと書いた。燃料もナトリウムも種々の機器も劣化し、やはり賞味期限切れだろう

 そこに改造工事とやらで、新たな機器が継ぎ接ぎされる。安全性が増すどころか、かえって危なっかしいことになりそう。工事中の事故も心配だ。「ナトリウムを入れた状態での工事は空気との接触をできるだけ避けて行う必要があり、新しく作るより時間がかかるし、むずかしい」と核燃料サイクル開発機構も言う(『インサイド原子力』7月4日号)

 引用を続ける。「通常のように工事が終わってから一括して使用前検査を受け、合格証取得というのでは問題が出たとき大変。手直しをするのは容易ではない」と、すんなり合格しそうにないのが当事者の予想だ。「順調にいって運転再開まで3年は掛かるだろう」とか。仮に順調にいったとしても賞味期限はますます過ぎていく

 お守りをする技術者はと見ると、既に95年の以前からの経験者は3分の1も残っていない。人間のほうが、賞味期限が早いらしい。と、何もかもが賞味期限切れのもんじゅを何が何でも再開しようとするのは、これまた賞味期限切れの「核燃料リサイクル」論をただ糊塗するため。危険とコストの大きさは、秤にかけてみるまでもない。(N)

『はんげんぱつ新聞』329号(2005年8月)

Posted by 編集部 at 15:31

「風車」328号(2005年7月)

「風車」328号(2005年7月)

ITER(国際熱核融合実験炉)の建設地が、フランスのカダラッシュに決まった。02年5月に六ヶ所村への誘致を閣議決定してから3年もかかっての決着だ

そもそも六ヶ所村を候補地と決めたときに「日本は誘致を断念した」と言われた。六ヶ所再処理工場の建設を進めるため、ITER誘致は事実上捨てて青森県の顔を立てたという。お蔭で青森県民は、7億円近い誘致費用を負担させられた。結論は決まっているのに頑張るフリをしたことで交渉は長引き、外交費用も多額にのぼった

六ヶ所村を候補地としたのは、高速増殖炉のためという見方もあった。ITERを国内に誘致されたら、他の原子力関係予算は大幅に圧縮される。候補地は「負けるところがよい」というわけだ。高速増殖炉推進派のホッとした顔が目に浮かぶ。とはいえ、誘致を回避したにせよ、今後30年の負担は1000億円を超える。さらに膨らむ可能性も小さくない

おまけに、誘致を断念した見返りに、日本がつくりたい関連施設の費用の半額(460億円以内)をEUが負担する。何のことはない、当初計画になかった余分な施設までつくらされて、日本の負担額は、けっきょく現時点でのITER国内誘致費用と大差なくなるだろう。関係者の失業対策費としては、いささかならず巨額に過ぎないか。(N)

『はんげんぱつ新聞』328号(2005年7月)

Posted by 編集部 at 15:30

「風車」326号(2005年5月)

「風車」326号(2005年5月)

 4月28日に開かれた新原子力長期計画の策定会議に、伴英幸委員の意見メモのおまけとして「六ヶ所再処理工場の保障措置について」の小文を付け足してもらった。(原子力資料情報室のホームページに掲載。 http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=136 )

 年間に約8トンのプルトニウムを扱う六ヶ所再処理工場では、外部に持ち出されていないと確認できない量が、IAEA=国際原子力機関の検認ゴールの8キロを超えて原爆数発分になってしまう。このためIAEAは、さまざまな追加的保障措置手段を適用することを条件として2004年1月、六ヶ所再処理工場の査察内容で日本政府と合意した。

 策定会議の席上では、核物質管理センターの内藤香専務理事らが「追加的保障措置手段が講じられている」ことを理由に、また、日本原燃会長でもある東京電力の勝俣恒久社長らが「会社にとって過大な負担とすら言えるオンサイトの分析所を設けている」ことを理由に、転用をチェックしきれないとの指摘に反論した。しかし、追加的保障措置手段もオンサイト分析所も在庫差(行方不明量)を直接減らせるわけでもなく、複雑な計算に依拠することなどから多くの不確かさがある。

 「対日批判を助長する主張はするな」とのお叱りもあったが、助長しているのはやはり六ヶ所再処理工場の存在そのものだろう。(N)

『はんげんぱつ新聞』326号(2005年5月)

Posted by 編集部 at 15:30

2005年05月16日

「風車」325号(2005年4月)

 4月28日に開かれた新原子力長期計画の策定会議に、伴英幸委員の意見メモのおまけとして「六ヶ所再処理工場の保障措置について」の小文を付け足してもらった。(原子力資料情報室のホームページに掲載。http://cnic.jp)
 年間に約8トンのプルトニウムを扱う六ヶ所再処理工場では、外部に持ち出されていないと確認できない量が、IAEA=国際原子力機関の検認ゴールの8キロを超えて原爆数発分になってしまう。このためIAEAは、さまざまな追加的保障措置手段を適用することを条件として2004年1月、六ヶ所再処理工場の査察内容で日本政府と合意した。
 策定会議の席上では、核物質管理センターの内藤香専務理事らが「追加的保障措置手段が講じられている」ことを理由に、また、日本原燃会長でもある東京電力の勝俣恒久社長らが「会社にとって過大な負担とすら言えるオンサイトの分析所を設けている」ことを理由に、転用をチェックしきれないとの指摘に反論した。しかし、追加的保障措置手段もオンサイト分析所も在庫差(行方不明量)を直接減らせるわけでもなく、複雑な計算に依拠することなどから多くの不確かさがある。
「対日批判を助長する主張はするな」とのお叱りもあったが、助長しているのはやはり六ヶ所再処理工場の存在そのものだろう。(N)

Posted by 編集部 at 10:26

2005年03月16日

「風車」324号(2005年3月)

 原子炉等規制法の改正案が、国会に提出された。クリアランス制度の導入や核物質防護対策の強化などを盛り込んだ改悪案であることは、前号1面でも取り上げた。
 この法案を見ていたら、罰金の増額案もふくまれていて、虚偽の届出の罰金が30万円だったものは100万円、50万円だったものは300万円へと引き上げられている。さて、そこで問題です。虚偽の許認可申請の罰金はいくらでしょう。
 答は、罰則ナシである。より重大な虚偽に罰則が設けられていないのは、受け取るだけの届出と違い、申請は審査をするからだろうか。虚偽があれば許認可が得られず、経済的損失は罰金より大きいので、あえて罰則を課さなくてよいということのようだ。法律のシロウトには、そう読める。
 ただし虚偽申請は許認可せずとは、法文には明記されていない。補正申請をさせて許認可をすればよしというのなら、やはりおかしい気もするのだが……。それはさておき、とまれ審査には誤りや見逃しがあってはならないと考えられているらしい。設計ミスなどは言わずもがな、故意に虚偽の申請が行なわれたとしても、審査では確実に見抜くのだと。
 「もんじゅ」の安全審査ひとつとっても、これは相当に怪しい。ミスの見逃しは珍しくもないが、虚偽や情報隠しも見逃されつづけていないか。

Posted by 編集部 at 10:52