脱原発の大きな一歩に
佐藤正幸(柏崎原発反対地元三団体)
昨年八月末の東京電力の事故隠し発覚が、原発そのものの本質をさらけ出す結果となっているのは皮肉である。原発はすべての発電システムの中で一番優位に立っているといわれて来たバケの皮が、剥げたことだ。kW当りの単価5.9円はウソだったこともバレた。
最近はもっと凄い「極めつき」が出て来た。それは自由化の進展で原発は採算が取れないので、電力会社の経営から切り離す案まで出ているとのこと。もともと原発は初期の頃から繋ぎの電源といわれていたものが、高度経済成長を良いことに利権にありついた政治家と財官が結びついての結果である。
核燃料サイクル路線の破綻、廃棄物、使用済燃料、廃炉など原発の運転30年が過ぎても何一つ解決していない。むしろ原発は維持基準の導入などで、さらに危険を抱えたまま運転を強行する方向に進んでいる。
霞ヶ関の官僚たちも本音は、どこかで原発推進路線を断ち切らなければと考えているのかも知れない。でも彼らに任せていたら、あと三十年かかるかも知れない。
それでは間に合わない。数年先、十年先に原発を止めるメドを立てなければならない。事故隠しを契機に噴き出した多くの問題を好機と捉え、追及していくことが必要だ。
その大きな一歩として全国集会を位置づけて、みんなで結集しよう。新潟は大型バス4台で参加することを検討している。
脱原発への序章の集会へ
小木曽 美和子(原子力に反対する福井県民会議)
チェルノブイリ事故の大惨事が起きてから2年後の88年4月、全国から東京へ集まった「脱原発へ!」の巨大なうねり。1万人集会の呼びかけに対し、2万人にふくれ上がる大集会になった日を想起する人も多いことと思います。
根拠のない予言でなく、当時、すでに事実として間違いなく大事故の兆しが各地から生々しく報告され、「あぶない原発」への警鐘を鳴らした集会でした。衝撃的な大事故は、90年代に入って続発しました。91年の関西電力美浜2号蒸気発生器細管の、ギロチン破断によるECCS作動事故、95年の「もんじゅ」ナトリウム火災事故、97年の東海再処理工場火災・爆発事故、死者と多くの住民被曝者を出した99年の東海JCO臨界事故、2001年中部電力浜岡1号水素爆発と推定されるECCS系統配管破断事故など経済性を優先し、安全性を切り捨ててきた結果の重大事故です。
そして昨年、東京電力を始めとしてほとんどの沸騰水型原発で明らかになったシュラウドと再循環配管のひび割れの虚偽報告の実態。一連の東電事件について、世界最大の敦賀3,4号(APWR各153万kW)を推進する日本原電鷲見社長が、「シビアなアゲインストの風が吹いている。原子力全体の身から出たサビ」と言わざるを得ない原子力業界と規制する国の頽廃は、目を覆うばかりです。
こうした現状を受けとめ、名古屋高裁金沢支部が「もんじゅ設置許可無効確認訴訟」で下した判決は、国の核燃料サイクル政策の根幹を揺るがせ、原子力政策の転機を迫る画期的なものとなりました。
この判決を真に生かせるかどうかは、私たち市民の運動にかかっています。脱原発への巨大なうねりへの序章の年にしようではありませんか。
6月7日は東京・代々木公園へ
「原発やめよう全国集会2003-子どもたちに原発も核もない未来を!」のお誘い
6月7日(土)午後、東京の代々木公園で「原発やめよう全国集会2003」(仮称)を開催しよう、との企画が進んでいます。6月といえば、建設中の六ヶ所再処理工場のウラン試験入りが計画されている月です。全原発の停止の事態に陥った東京電力が、運転再開に向けた画策にやっきとなっているであろう時期でもあります。そうした動きに対して、「原発はやめられる!原発やめよう!」「核燃料サイクルはいらない!止めよう!」との声を大きくひろげていく必要があります。また、それができる好機ともいえます。
チェルノブイリ原発事故から2年後の1988年4月に行なわれた「原発とめよう!2万人行動」から15年。「それより少ない人数では全国集会ができない」という呪縛も解けました。数にこだわらず、しかしできるだけたくさんの人が集まることでお互いを元気づけ、力を得てそれぞれの現場に戻れるような、そんな集会にしたいのです。
集会の実行委員会を2月8日に結成し、具体的な取り組みをスタートさせる予定ですが、昨年12月22日に集まることのできた各地の人びとで、素案を準備しました。6月7日の午後1時半から代々木公園B地区で全体集会を開き、4時に渋谷へのパレードに出発します。会場では、昼ころから各地の産物やパンフレットの販売、写真展などのテントを張り、にぎやかな雰囲気をかもしだせたら、と考えています。
前日の夜に今後の運動の進め方を議論する場、当日の午前に各地報告・交流の場を−−といった企画を準備しています。また、省庁や東京電力などに各グループで波状的に申し入れや交渉を行なってはどうか、とも話し合いました。いずれも未確定で、もっとよいアイデアを求めています。ぜひ、準備の段階からご参加下さい。
当面の連絡先は、『はんげんぱつ新聞』の発行所である反原発運動全国連絡会(東京都中野区東中野1−58−15 寿ビル3階 ・03−5330−9789)と、原水爆禁止日本国民会議(東京都千代田区神田駿河台3−2−11 総評会館5階 ・03−5289−8224)です。
2月8日の「結成のつどい」は、午後1時から総評会館501号室で開きます。首都圏の参加者の方のみ、参加費千円をご負担下さい。
原発に頼ることの危うさが今ほどはっきりした時はありません。脱原発の思いを運動の外に向かって確実に伝えていくチャンスを、何としても活かしたいと思います。
(反原発運動全国連絡会 西尾漠)
※『原子力資料情報室通信』344号より
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